2016年7月29日金曜日

KさんのカワサキZ1000Mk2 エンジンオーバーホール その 2


 オーナーのKさんが単体で買ってきただけで、正体不明のエンジンを分解中です。 オイルが抜かれていない事に気づき釣り上げてオイルを抜きます。


 イヤーな感じのオイルが出てきています。



 この、ドレンボルトを見て、全部分解することをお勧めしました。 すごい状態ですね~



 オイルパン内も中々すごい状態です。明らかに鉄粉が回っています。




 ケースを分解して原因が解りました。 ミッションが抜けまくっていた様です。 角が丸まっているのが解りますか?


シフトフォークも削れています。 クランクケースも開けてよかったね~ Kさん!


原因が解ったところで全ての部品の洗浄です。 先ずは洗浄液。


乾かしてから、次は洗剤と水でジャブジャブ洗います。 とにかく、油も泥も全て洗い流します。


 細かく洗ったところ、塗装も落ちました(笑) 


 汚れを全て落としたつもりでも、まだまだ付いていますね~。


 ガスケットを剥がしながら、細かくチェックします。 ネジの折れ込みも、抜けもありません。


 全ての部分の塗装が中途半端に落ちてしまいました。 塗装はやり直しですね。


 シリンダーのフロント部分はまだまだ、泥汚れが残っていました。 更に洗わないと!焼き付いているので落とすのは大変です。 とはいえ、ミッションとシフトフォーク以外全体としてはそれほど酷くはないです。 クランクのテーパーも綺麗ですし、 クランクベアリングも問題ないので、ベースとしては悪くない状態と言えます。  

 この状態にしたら予算とやりたいことと現実の擦り合わせが始まります。 理想だけで突き進むとすごい金額になってしまいますからね。 オーナーさんに幾つかの提案をして一緒に考えていきます。  オーナーさんはちょっと?!速いエンジンが欲しいみたいですね~
 
 話を脱線させますがクランクの新品が無い今、ベアリングの具合が悪いクランクが出てきた場合完璧なクランクに直すのもとても難しい事になります。 クランクベアリングはリプロで売っていますが、ベアリングレースは無いですからね。 ステムベアリングで考えれば解りやすいのですが、ベアリングが交換レベルの場合ベアリングレースも交換しないと変なハンドリングは治らないでしょ? クランクベアリングも同じです。  ですから、今回のように問題無いクランクが出てきてくれるとホッとしますね~     その3に続きます。



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