2021年10月13日水曜日

YさんのカワサキGPZ1100 エンジン編 その1 分解

 

 2021年1月に完成した Yさんの カワサキGPZ1100。 

 元々は8年ほど前? 他店で購入したけど 「何が変なのか?解らないけど 乗りずらい!」という事でご来店いただいてからのお客様。


 今回 外装色も変更したのですが、元々は普通に?赤いGPZで、何回かに分けて サスのセッティングとキャブセッティングを順番に行いました。 ですが 最初の頃からヘッドとシリンダーの間からオイルが滲んでいて、確か購入店に修理にも入れていた様な記憶が? 定かではないですけどね。何年か乗ってそれがどんどん酷くなってきて 「我慢できない!」という事でエンジンオーバーホールを、同時に足回りのグレードアップ依頼をいただきました。


 パッと見 ダイマグ付けてオイルクーラーを交換した位に見えていた車輌ですが、フレーム修正、リヤサス(盛大にセッティング変更)フォークスプリング交換してセッティング、キャブもフィルターを付けてセッティング。 体重軽めな Yさん向けの車体設定に修正したので「乗りやすい!」 との太鼓判をいただいていたのですが、 エンジンは、、、お初!


 シリンダーヘッドを外しました。ん?


 固まったシール材がオイルラインのスタッドに輪ゴムの様に引っ掛かってます。
今はここに引っ掛かってますが、それまではオイルラインを塞いでいたという事なんですよね。


 当然の事ながら全体にシール材が塗ったくって有ります。


 切っちゃったOリングをシール材てんこ盛りで誤魔化そうとしています。 こういうのを見ると なんで替えないんだろう? って素朴に思います。 溝にもシール材が入っているので明らかにヘッドを外して作業していますから。


 

 ヘッドを外してシール材が塗ってあるエンジンは、何処も彼処も もれなく塗りたくって有ります。



 ヘッドはどうでしょう?


 メタルくらい ちゃんと組んで欲しいですね~ ヘッド側も変形してますよ!



 こういうエンジンで時々見られるのが、ちょっとしたポート研磨的な事がやって有るという事。 それもインテークのバルブ周辺だけ。 何だろう?オーナーにアピールですかね?


 取り出したクランクは 以前マグネットローターが回ってしまって付けた傷をTIG溶接で盛っているようです。 このままでは後で何が起きるか解らないので研磨(勿論 機械加工です)に出してから芯出しします。マグネットローターも交換します。
 *最近気づいたのですが もうローター無いんですね!替えておいてよかった! 
 
 ここ最近の中古車買って クランクのテーパーがグチャグチャだった人 どうするんでしょうね? 酷いのは研磨してもダメだし ローター無いし!
 
 話はそれますが、エンジンオーバーホール時にきちんとした作業をさせてもらえるかどうかは オーナーさん次第な所が有ります。 
 昔はみんな若かったし、見込み金額言っちゃってるけど 開けたら 「え~!!ここ壊れてるじゃん!!」そうなると 「予算出ちゃうから払えない!」 だったら直せないって話なんですけど、予算が足りない方はエンジン以外でやろうとしていた事を諦めてもらって 全部直す方向で話を纏めるか、それが出来なければヘッドの仕上げをあきらめてもらうのが定番でした。 後ですぐに外せますからね。 ヘッドだけ後で直しましょうって話です。
 
 でも 最近はそういう方って居ないですね。 分解してからのキッチリ見積もりだし、皆さん 掛かる費用も想像できる様で 「キッチリ直してください! これで最後だから!」って 皆さんそれなりの年齢ですから無駄な時間使ってる場合じゃないんですね(笑)

 その2に続く

 横浜で カワサキ Zシリーズ、HDスポーツスターをメインに修理、メンテナンス、レストア、モディファイ、チューニング、オリジナル部品製作販売を行っております。
 2019年にフレーム修正機を導入いたしました。是非ご活用ください。

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